- 目次
大歩危・小歩危とは?
大歩危・小歩危は、三好市を流れる吉野川沿いの峡谷で、長い年月をかけ水蝕されてできた奇岩が連なる川岸が特徴的です。特に紅葉の季節はエメラルドグリーンの清流と、鮮やかな木々のコラボレーションが美しい絶景スポットとしても知られます。名前の由来にはふたつの説があると言われています。ひとつは断崖を意味する古語「ほき(ほけ)」から付けられたという説、もうひとつは「大股で歩くと危ないから大歩危」「小股で歩いても危ないから小歩危」という説です。美しい紅葉に目を奪われ、狭い道から足を踏みはずしてしまう、なんてことのないようお気を付けください。
スリル満点!植物でできた祖谷のかずら橋
吉野川の支流である祖谷川周辺の祖谷渓は、岐阜の白川郷、宮崎の椎葉村と並ぶ日本三大秘境の一つとも言われ、美しく豊かな自然が楽しめます。そんな祖谷渓を代表する絶景スポットが、祖谷のかずら橋です。国指定重要有形民俗文化財の吊り橋で、シラクチカズラと呼ばれる葛(カズラ)のツルを編んで造られており、3年ごとに架け替えが行われます。
長さ45メートル、幅2メートル、水面からの高さ14メートル。下が丸見えで、揺れる、揺れる!スリル満点の吊り橋です。橋から落ちないように網が張られている、などということはありませんので、スニーカーで行くことをおすすめします。濡れている日は特に滑ります。下は流れの早い川なので、携帯電話や鍵を落としても取りに行くのは危険です。持ち物は絶対に落とさないように気を付けてください。
かずら橋までは、かずら橋夢舞台というイベント広場・物産館・食堂を兼ね備えた観光施設から歩いて行きます。車でお越しの方はかずら橋夢舞台の市営駐車場をご利用ください。また、かずら橋を渡るには入場料が必要です。チケット売り場は橋のたもとにあり、大人550円、小人350円です。橋は一方通行なので、小さなお子さまは保護者の方と一緒に注意して渡ってください。
どうしてこんな所にいるの?崖の上の小便小僧
祖谷渓のシンボル的存在の小便小僧。絶壁の岩の先端に立つ、可愛らしい銅像です。昔、少年たちが度胸試しをしたという逸話にちなんで立てられました。谷底までは200メートルもの高さのある渓谷です。新緑も美しいですが、紅葉の季節になると、辺り一面に広がる赤色や橙色が何ともすばらしいです。
美しい景色が見られるようにと、ここには手すり程度の柵しか施されておらず、乗り越えようと思えば乗り越えられる高さです。くれぐれも小便小僧と同じ格好で写真を撮ろうとはしないでくださいね。
小便小僧の周辺には駐車場はありません。2、3台停められるように道路が少し広くなっているだけなので、見学を終えたらすぐに移動しましょう。
ケーブルカーで温泉へ「和の宿 ホテル祖谷温泉」
祖谷地方は徳島県内有数の温泉地で、温泉宿が数多くあります。おすすめは「和の宿 ホテル祖谷温泉」です。小便小僧から徒歩2、3分の所にあり、露天風呂から眺める景観と旬の食材を使った料理が自慢の一軒宿です。夕食は祖谷地方の郷土料理を部屋食でゆっくりとお召し上がりいただけます。この宿のおすすめポイントは、何といっても、専用ケーブルカーで露天風呂まで行くという特別な体験です。約170メートル下の露天風呂まで、約5分の道中は角度が急で少し怖いかもしれませんが、渓谷を望む壮観な景色に目を奪われることでしょう。秋には湯船に浸かりながら紅葉を楽しむことができます。露天風呂は源泉かけ流しで、湯の花が浮かぶ白濁のお湯です。
この専用ケーブルカーは、何と、自分で運転しなければなりません。いちばん前の席に座った人が運転をします。責任は重大ですが、ボタン操作は簡単なのでどうぞご心配なく。ぜひ運転してみましょう。
【ホテル情報】
和の宿 ホテル祖谷温泉
住所:徳島県三好市池田町松尾松本367-28
電話:0883-75-2311
旅館関係者もすすめる人気の温泉「松尾川温泉」
祖谷観光でぜひ訪れて欲しいのが、地元の人が足繁く通うという日帰り温泉「松尾川温泉」です。祖谷温泉の旅館関係者もすすめる人気の温泉で、とにかくお湯が良いと評判です。源泉かけ流しの温泉は、アルカリ性の単純硫黄泉です。その効能は解毒作用が強く、血圧を下げ、炎症をおさえるなどの特効性があるといわれています。さらに、アルカリ性の泉質のため美肌効果も期待できます。入浴料は、一般(中学生以上)510円、小学生310円、小学生未満は無料です。徳島自動車道・井川池田ICから車で約30分、もしくはJR阿波池田駅から車で約25分の所にあります。
【スポット情報】
松尾川温泉
住所:徳島県三好市池田町松尾黒川2−1
電話:0883-75-2322
営業時間(日帰り入浴):10:00~20:00
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)・12月30日~1月3日
観光に適した服装は?気候は?
かずら橋を含め歩く所が多いので、動きやすい服装にスニーカーがおすすめです。山間部なので、東部の徳島市内に比べると2~3度ほど気温が低いです。積雪や路面が凍結する場合があるので、冬に車で行かれる方はスタッドレスタイヤかチェーンが必須です。
ぜひ味わっておきたい祖谷のおすすめグルメ4選
祖谷を訪れたらぜひ味わって欲しいのが、祖谷地方に伝わる郷土料理の数々です。特におすすめの4選をご紹介します。
①アメゴの塩焼き
アメゴとはヤマメに似た川魚です。一般的にはアマゴと呼びますが、徳島ではアメゴと呼びます。体に赤い点々模様がついているのが特徴で、クセがなく食べやすい魚です。ふっくら焼きあげた身は口あたりがよく、塩かげんも絶妙です。アメゴはやや小ぶりな川魚なので、2~3匹は食べられるでしょう。
②そば米雑炊
そば米とはそばの実のことで、鶏肉やにんじん、豆腐などと一緒にダシで炊き上げた雑炊です。そば米のプチプチした食感とあっさりしたつゆの組み合わせが優しい味わいです。高い山に囲まれて稲作に適さない祖谷地方では、そばが作られています。そばを粉にしないでそのまま食べるのは全国的にも珍しいそうです。そば米は調理が簡単なので、お土産にもおすすめです。
③祖谷そば
祖谷地方は昼と夜の寒暖差が大きく、良質のそばが採れることで有名です。祖谷で収穫されたそばで作る祖谷そばは、つなぎをほとんど使わないため、太めで少し短いのが特徴です。一般的なそばと比べると、切れやすく、舌触りは少しざらっとしています。薄味のだし汁とともにかき込むと、祖谷そば本来の味と香りが楽しめます。
④でこまわし
でこまわしとは、祖谷こんにゃく、ほどいも(祖谷伝統のじゃがいも)、石豆腐(祖谷特産の固い豆腐)を竹串に刺し、味噌だれをぬり、炭火で焼いた田楽です。「でこ」とは人形(木偶)を意味する方言で、シルエットが人形のような串をくるくる回しながら焼くことから名前が付けられました。祖谷のかずら橋付近に並んでいるお店で、1本300円程度で売られています。でこまわしは祖谷以外では、私は見たことがありませんので、ぜひお試しください。
ランチにおすすめ「蕎麦処・祖谷美人」
贅沢でしっとりした旅館「祖谷の隠れ宿 祖谷美人」に併設された「蕎麦処・祖谷美人」は、宿泊客以外でも気軽に利用できるお食事処です。天気の良い日はぜひ屋外の席でお食事をお楽しみください。自然豊かな渓谷の眺めが堪能できます。
「蕎麦処・祖谷美人」では祖谷そばはもちろんのこと、アメゴの塩焼きやでこまわしも食べられます。昼間(8:00~17:00)のみの営業なので、ご注意ください。
【スポット情報】
蕎麦処・祖谷美人
住所:三好市西祖谷山村善徳9-3
電話:0883-87-2009
営業時間:8:00~17:00
定休日:なし
大歩危・小歩危までのアクセスと観光方法
大歩危・小歩危までは、徳島空港から車で2時間、徳島自動車道・井川池田ICから国道32号を高知方面に進みます。徳島空港にはレンタカー会社が数社あります。電車やバスの便数が少ない大歩危・小歩危へは車が便利です。
なお、四国交通がJR土讃線・阿波池田駅から定期観光バスを運行しています。祖谷地方の観光スポットを巡る、ボンネットバスという昔懐かしい形のかわいらしいバスです。3月19日~11月30日の間、土、日、祝日のみの運行(5、8、10、11月は毎日運行)で、冬季は休業となります。7、8月は一般貸切バスで運行します。それ以外の月はボンネットバスで運行予定ですが、点検・整備日等は一般貸切バスでの運行となる場合があります。
画像提供:一般財団法人 徳島県観光協会
高速道路を降りてから距離があり、電車やバスの便も決して良いとは言えない秘境、祖谷渓と大歩危・小歩危。さあ、行くぞ!と気合いを入れないとなかなか行けない場所ですが、着いてすぐに、来てよかったと思える大自然に出合えます。紅葉の季節に合わせて、絶景を見に行ってみませんか?
徳島行きの航空券をチェックしてみる
筆者ご紹介
| ||
---|---|---|
地球の歩き方徳島Web特派員 かおり
2015年4月より徳島在住。夫と小学生の息子の3人暮らし。趣味は旅行と写真。活動は休業中だが、日本茶インストラクターの資格を持つ。子供と一緒に楽しめる徳島の素敵な場所を地球の歩き方徳島Web特派員ブログからお届けしています。
あわせて読みたい
古都京都のもみじ狩りスポットを三大祭のひとつ「時代祭」とともにご紹介!
東山や嵐山の裾野には紅葉やハゼなど赤く色づく葉が多く、鮮やかな紅色に染めてくれることから京都の紅葉は女性的といわれているのだとか。また、秋の京都を代表する「時代祭り」も10月に開催されます。
博多の秋の風物詩「博多灯明ウォッチング2017」へ行ってみよう
博多の夜を数万個の灯明(とうみょう)で照らす幻想的なイベント「博多灯明ウォッチング2017」を紹介しましょう。和紙とロウソクによるあたたかな灯りは、ネオンや電気とは違った、味わい深い印象を与えてくれます。