※新型コロナウイルス感染症の影響により、自治体によっては住民の移動や観光客の受け入れに関して制限を設けたり、自粛を要請したりしている場合があります。方針は随時変更されます。旅行の際は、出発地・目的地の各自治体の公式サイトで最新のガイドラインをご確認ください。
※記事内の航空券価格は、スカイスキャナーから「最安値の月」で検索した際の最低価格です(羽田/成田空港発、エコノミークラス大人 1 名、 往復便)。2020 年8月12日時点の検索結果に基づいており、価格は随時変動しています。
- もくじ
1. 平安時代の雅な空気が漂う景勝地【嚴島神社】
四国と本州や九州に挟まれた瀬戸内海に点在する島々や、それを望む沿岸部にある展望地を含む瀬戸内海国立公園。1934年に日本で最初に国立公園として指定された地域のひとつであり、国内で最も広範囲に及ぶ国立公園として知られています。内海多島海景をはじめとする数々の景勝地が点在するほか、早い時代から地域に住む人々の文化が栄え、自然と人が共存してきたのが特徴です。

soularte/Shutterstock.com
瀬戸内海国立公園内にある有名な景勝地のひとつで、日本三景のひとつにも数えられている、広島県の宮島。その宮島にある嚴島神社とその背後にある弥山原始林は、1996年に世界文化遺産に登録されました。潮が満ちると海に浮かんでいるように見える、朱色の大きな鳥居の優美な風景が特に有名です。

Sean Pavone/Shutterstock.com
社殿や鳥居が海中に建てられたのは、古代から島全体が神の島として信仰されていたためで、島の土地を傷つけることを避けるためだったと言われています。平安時代特有の雅やかな朱塗りの社殿や、国の重要文化財に指定される大鳥居が、嚴島神社特有の雰囲気を漂わせます。雑踏から抜け出して、瀬戸内海に浮かぶ小さな島で神聖な風景に身を投じてみてはいかがでしょう。
【スポット情報】
嚴島神社
広島県廿日市市宮島町1-1
http://www.itsukushimajinja.jp/index.html
2. 贅を尽くした建築は文化的な側面に注目【日光の社寺】
栃木県と福島県、群馬県の3県に渡り、大半を那須火山帯に属する山岳地が占める地域は、日光国立公園に指定されています。火山活動によって形成された湖沼や滝、渓谷などの自然の景観が広がる一帯で、その中には世界遺産に登録された日光の社寺も含まれます。歴史的な文化遺産と自然が融合している代表的な地域です。

mTaira/Shutterstock.com
日光の社寺とは、日光東照宮をはじめ、二荒山神社、輪王寺などの数々の歴史的建造物や史跡で構成されています。その中でも有名な日光東照宮は、徳川家康が祀られている場所で、境内には煌びやかな社殿が点在します。自然の地形が計算され、参道や階段、社殿がバランスよく配置された、日本屈指の社殿群です。

Milosz Maslanka/Shutterstock.com
建造物のほとんどは三代将軍・徳川家光の命により、1636年に建て替えられたもので、全国から名工が集められてわずか1年5カ月で完成しました。漆や金が施された豪華絢爛な造りで、圧倒的な存在感があります。建物の柱に飾られている細かい彫刻は、よく見ると信仰や学問、思想を表現したデザインになっており、知っていくほどに興味をそそります。霊場日光山にあり、近年では有名なパワースポットとしても注目されています。
3. 自然環境と信仰が深く関わる地【紀伊山地の霊場と参詣道】
紀伊半島の中央部に南北に延び、近畿の屋根と称される大峰山脈や、東側の山岳地帯、熊野灘にそそぐ川の流域やその海岸線からなる、吉野熊野国立公園。熊野信仰によって守られてきた那智山も含まれ、その一部地域が紀伊山地の霊場と参詣道として世界文化遺産に登録されました。「高野山」「吉野・大峰」「熊野三山」は、神々が鎮座する神聖な地域として古くから崇められてきた地で、この3つの霊山を結ぶ参詣道には多くの史跡や遺跡が残っています。

Basico/Shutterstock.com
熊野古道の中辺路によって結ばれている熊野三山は、平安時代から栄えた熊野信仰の聖地にあたる区域で、古くは熊野詣で人気となった地です。最近では、熊野古道と那智の滝が、ミシュランガイドの観光部門で「わざわざ旅行をする価値がある」観光地として、三ツ星を獲得して注目を集めました。緑の木々に囲まれた深い森の中を進む参道は、神秘的な雰囲気に包まれています。

Albert Frigole/Shutterstock.com
また、桜の名所として名高い奈良県の吉野山は、神仙が住む理想郷と言われていた時代があり、厳しい修行が行われていました。蔵王権現を刻んだ桜の木が祀られている、修剣道の総本山「金峯山寺」もまた、このエリアで世界文化遺産に登録された場所のひとつです。人間が作り出した信仰の想いを桜の木に刻みご神木として祀るという、人間が自然を敬ってきた歴史が色濃く残っています。桜のシーズンは観光客が集中しますが、それ以外の時期は比較的混雑が緩和される穴場スポットです。
4. 芸術や文化にも影響を与える特別な存在【富士山】
富士山周辺の火山地形や、箱根や伊豆半島などの温泉地域、伊豆半島の海外線一帯は、富士箱根伊豆国立公園に指定されています。そのエリアの中でも、世界文化遺産として登録されているのは、富士山そのもののほか、周辺にある神社や溶岩樹型、湖沼を含め25のエリアです。日本人の心に根づく、富士山の優美な姿を眺められる地域も含まれます。

BAMBELL/Shutterstock.com
富士山を遠望できる地としてよく知られているのが、富士五湖です。富士山の火山活動によって形成された山中湖、河口湖、西湖、本栖湖、精進湖からなる5つの湖からは、それぞれの湖にある独特な雰囲気と周囲の風景が重なり合う、富士山の絶景を見ることができます。いろいろな角度からの富士山を楽しめるので、自分だけの穴場スポットを見つけて、静かに楽しんでみるのもいいですね。

nyker/Shutterstock.com
日本最高峰の富士山は登山人気も高く、頂上を目指す4つの登山道も世界遺産として構成されているほか、山頂の信仰遺跡群もその一部となっています。富士山が信仰の対象とされ、人と自然が古くから関わり合ってきたことを証明する遺跡が多く残っている地です。文学や絵画など、芸術分野にも大きく影響を与えている富士山は、日本人にとって特別な存在といえますね。
世界文化遺産として登録されているエリアがある国立公園4カ所では、人々が自然を尊重し敬ってきた深い歴史を知ることができます。歴史文化が根付く大自然の中で、リフレッシュできたら最高ですね。