海外旅行や出張で国際線フライトを利用する際、スムーズな出国・搭乗のためには機内持ち込み荷物のルールをしっかり把握しておくことが重要です。国際線では、持ち込みが禁止されているものや条件付きで許可されているもの、さらには液体類の取り扱いや荷物のサイズ・個数の制限など、さまざまな規定があります。 本記事では、禁止されているもの、可能なものの代表的な手荷物、トラブルを避けるためのポイントや事前準備のコツについて詳しく解説します。
もくじ
機内持ち込みが禁止されているもの
機内持ち込みが可能なものと条件
液体の機内持ち込みの注意点・準備
機内持ち込みの個数・サイズの注意点
機内持ち込みが禁止されているもの
まずは特に注意したい、国際線の機内持ち込みが禁止されている手荷物の代表的な例をご紹介します。いざ渡航の直前に持ち込みや預け入れも不可能ということが判明してはトラブルの元となりますので、これらの手荷物は特に注意して余裕を持って荷造りの準備をしていきましょう。 禁止されているものは主に凶器となりうる刃物やスポーツ用品などの危険物、爆発などの事故に繋がりうるガス製品といった危険物質が該当しています。
ハサミ・ナイフ・カッターなどの刃物
花火・クラッカーなどの爆発物
オイルライターやガスボンベなどの引火性物質
殺虫剤・農薬
ペンキ・塗料・接着剤
一部の電池・バッテリー(医療用機器以外のリチウム含有量2g超など)
電池の取り外し不可能なヘアーアイロン
業務用の大型磁石
ゴルフクラブ・バット・スキー板・釣り竿などのスポーツ用品
100ml以上の液体物
犬や猫などのペット(一部の航空会社は手続きをすれば可能)
なお、航空会社によっては持ち込み禁止物の範囲や条件の詳細が異なる可能性があります。 持ち込みが可能か不安がある場合は、実際に搭乗する航空会社の公式サイトを確認しましょう。
関連ページ:気をつけて!機内に持ち込めない手荷物リスト9
関連ページ:機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例 | 国土交通省
機内持ち込みが可能なものと条件
次に、基本的には機内持ち込みが可能である手荷物をご紹介します。荷物の種類によっては細かな条件・規定が設けられていて注意が必要なものもあります。 禁止されている手荷物同様、不安要素がある場合は航空会社の公式サイトをよく確認して準備しましょう。
食べ物・お菓子
国際線フライトでは液体物の持ち込みが厳しいということはよく知られていますが、食事やお菓子などの食べ物については、液体物でない限りは基本的に機内持ち込みが可能です。例えば、飴玉、チョコレート、おにぎり、液体や乳製品・肉類を含まないパンなど、軽食やおやつとして便利な食べ物は持ち込みが可能です。一方で、缶詰、ヨーグルト、味噌など水分の多いものは持ち込みが禁止されています。
化粧品類
化粧品については、液体物以外の製品は基本的に機内持ち込みが可能です。リップクリーム・口紅などは液体状でもないため制限はありません。
一方、化粧水やフェイスパックなど液体状で、100ml(g)を超える容器に入ったものは機内持ち込みができないため、100ml(g)以下の容器を用意しておき、1リットル以下・縦横20cm以下のジップロックなどの透明プラスチック袋に入れる必要があります。 なお、コンタクトレンズには持ち込みの制限は有りませんが、洗浄液・保存液は液体物のため、上記の容量制限があります。
スプレー(化粧品・医療品)
ヘアスプレーなどの化粧品類、スポーツ用、虫除けスプレーは機内持ち込みが可能ですが、液体と同様に100ml(g)以下の容器でないといけません。
ライター・タバコ
喫煙用の小型・携帯型のガスライターや安全マッチは1個に限り機内持ち込みが認められます。通常の紙タバコや電子タバコも持ち込み可能です。なお、渡航先の国によって煙草の免税範囲内の持ち込み可能な量が異なることがあります。大抵は200本程度が可能ですが、電子タバコが完全に禁止されている国などもあります。渡航先の国にあわせて調べてから行きましょう。なお、熱が出るものとして気になる使い捨てのホッカイロは制限なく持ち込みが可能です。
モバイルバッテリー(充電器)・乾電池
電池は単3・4などのアルカリ乾電池は機内持ち込みが可能です。
スマートフォン用のモバイルバッテリーについては容量によって異なり、100Wh以下のものは個数制限なし、100Wh~160Wh以下のものは2個まで機内持ち込みが可能で、160Wh超は機内持ち込みが禁止されます。
一般的なモバイルバッテリーの容量は5,000 mAh(約18Wh)〜 20,000 mAh(約74Wh)ですので、多くの場合持ち込みは問題は有りません。
カミソリ・爪切り
凶器となり得る刃物や危険物が禁止されている一方で、T字型カミソリ・電動シェーバーなどの髭剃りや、先端が尖っていない小さな化粧用ハサミも機内持ち込みが可能です。
ペットボトル飲料などの液体(出国後に購入)
飲料水や化粧品の液体物には容量に厳密な規定がありますが、保安検査場の荷物検査を通り過ぎて出国後、飛行機に搭乗する前に免税店や自動販売機で購入した飲み物などは機内持ち込みが可能です。
500mlのペットボトル飲料など、機内で水分補給するために用意するならこのタイミングで購入して持ち込みましょう。
折りたたみ傘
通常の雨傘、日傘など、折りたたみ式を含めて機内持ち込みが可能です。
ただし、極端に先端が尖っているものは凶器となり得ると判断され、禁止される可能性がありますので注意しましょう。
ノートパソコン・タブレットなどの電化製品
ノートパソコンやタブレット、ポケットWIFI、カメラなどの電子機器は機内持ち込みが可能です。カメラの三脚は畳んだ状態で長さが60センチ以下のものであれば持ち込み可能です。
ヘアアイロン・カーラー
コンセント式のヘアアイロンは非危険物として扱われるため、機内持ち込みも預け荷物も可能です。電池式のものは160Wh以下の容量内で取り外し可能である場合は機内持ち込み、預け荷物が可能です。
割れ物(ガラス製品・コップなど)
お土産品や日用品として使うコップ、ガラス製品、鏡も機内持ち込みが可能です。
瓶も持ち込み可能ですが、中身の液体がある場合は中身を捨てるか容量規定に沿って別容器で持ち運ぶ必要があります。
関連ページ:海外旅行者必見!飛行機内に持ち込むと便利な10のアイテム
液体の機内持ち込みの注意点・準備
国際線フライトの機内持ち込みでは、特に液体物に厳しい規則があり、100ml(g)を超える容器に入ったあらゆる液体物が対象として機内持ち込みが禁止されています。
代表的な液体物としては下記が挙げられます。
液状の化粧品・香水・マスカラ
歯磨き粉
日焼け止めローション
ハンドクリーム
シャンプー・液体石鹸
飲み物(ジュースなど)
シロップ・ソース・味噌などの液状調味料
加熱式タバコのリキッド
アルコール(酒類)
このような液体物を機内に持ち込むためには、それぞれの液体物を100ml(g)以下の容器に移し替え、容量1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れることで持ち込みが可能となります。
プラスチック袋のサイズの目安は縦20㎝以下×横20㎝以下で、搭乗者1人につき1袋までの制限もあります。
条件を満たせず持ち込めない場合は保安検査場で廃棄することになりますので、注意して準備しましょう。
なお、下記などの液体物は例外として容量制限が無く機内持ち込みが可能です。
乳幼児を同伴して搭乗する場合のベビー用ミルク
処方箋と一致した液体状の処方薬
出国後の免税店・売店で購入した液体物
関連ページ:国際線機内に持ち込み可能な液体物は?
機内持ち込みの個数・サイズの注意点
ここまで国際線の機内持ち込みの具体的な手荷物の種類や注意点を解説しましたが、最後にそれらの手荷物を収納するキャリーケースやリュックサックなどの荷物の個数やサイズの規定と注意点についてご紹介します。
機内持ち込み可能な荷物の個数・サイズ・重量は、ANA・JALなどのフルサービスキャリアと、ジェットスター・ピーチなどのLCCとで比較的大きな差があることが一般的です。
各航空会社によって詳細は異なりますが、大まかには下記のような違いがあります。
| フルサービスキャリア | LCC(格安航空会社) |
個数 | 2個 | 1〜2個 |
サイズ | 3辺合計115cm以下 | 3辺合計85cm〜115cm以下 |
重量 | 10kg | 7kg |
フルサービスキャリアの場合、3辺合計115cm以下の荷物1個に加え、ハンドバッグなどの身の回り品1個までの合計2個まで機内持ち込みできることが多いです。
一方のLCCは航空会社と料金プランによりますが、全て1個の荷物にまとめる必要があり、更にサイズと重量の許容が小さいこともあります。
重量やサイズをオーバーしてしまうと追加料金の支払いや、預け入れ荷物の手配が必要になることがありますので、搭乗する航空会社の荷物規定、特に個数・サイズ・重量について注意して確認しましょう。
関連ページ:LCCもフルサービスキャリアも!国際線の荷物規定