1. 立地の利便性
puhhha/Shutterstock.com海外ホテルを選ぶ際に、まず確認すべきが立地の利便性。「もちろん立地はチェックする」という人は多いとは思いますが、海外では土地勘がないために、「立地の良いホテルを選んだつもりだったのに、そうではなかった」という失敗が起こりえます。
ホテル予約サイトやホテルのホームページなどで、「○○市の中心に位置」「○○までわずか〇分」などと書かれていても、地図で確認してみると、街の中心とは言えないこともしばしば。大都市の場合、「○○ホテル台北」などと都市名を冠していても、実際にはその都市ではなく、隣の市に位置している場合もあります。
あえて郊外でゆったり滞在したい場合は別として、利便性を重視する場合は、地図上での場所の確認は必須。その際は、地下鉄駅やバス停など、公共交通機関の乗り場が近くにあるかどうかも併せてチェックしておきたいところ。
大都市の場合、「街の中心」といってもかなり範囲が広くなるので、安易に選ぶと「中心部ではあるけれど、自分が観光したいエリアから遠かった」という失敗もありえます。滞在時間が短い場合は、「○○駅まで徒歩〇分」などといった記載を見ただけで、安易に便利そうだと判断せず、観光に時間を割きたいエリアを確認し、そこへのアクセスが良い宿泊施設を選ぶといいでしょう。
スカイスキャナーでホテルを検索2. 立地の安全性
Graphical_Bank/Shutterstock.com利便性に加え、立地に関してもう一つ注意すべきが、安全性。治安の良い日本に暮らしていると忘れがちになりますが、海外の都市には、危険エリアや地元の人も警戒するエリアが存在するケースが少なくありません。
たとえばパリでは、18区、19区、20区などが治安の良くないエリアとされていて、ドイツのフランクフルトでは、中央駅周辺に要注意エリアがあります。治安の良くない場所に位置するホテルは、市内の相場よりも料金が安く設定されている場合が多いので、便利そうなわりに値段が安いと感じたら、危険エリアである可能性を疑ったほうがいいでしょう。
海外ホテルを予約するにあたっては、ガイドブックやインターネットなどで、あらかじめ危険エリアを把握しておくことが重要。ホテル予約サイトの口コミにも「周辺の治安が悪い」「エリアの雰囲気が良く安全」といった情報が出ていることがあるので、口コミを確認した上で予約するとさらに安心です。
3. キャンセル可否
Sashkin/Shutterstock.com日本のホテルの場合、数日前まで、場合によっては当日まで無料で予約をキャンセルできる施設が多いのですが、海外の場合、ホテルやプランによってかなりばらつきがあります。
まれに当日や前日まで無料キャンセルができるホテルもありますが、多くの場合は2週間~3日前からキャンセル料が発生します。特に気をつけたいのが、「返金不可」の予約。「予約のタイミングに関わらず、一切返金には応じられない」というポリシーをとっているホテルやプランが意外と少なくないのです。
ホテル予約サイトによっては、こうした予約条件が目立つように記載されていないこともあるので、予約にあたっては、「無料でキャンセルができるのか」「いつまでなら無料キャンセルができるのか」の2点を必ず確認するようにしましょう。
4. 口コミスコア
Jirsak/Shutterstock.com海外ホテルを選ぶ上で、頼りになるのがホテル宿泊客の口コミ。筆者自身も口コミを重視していて、口コミスコアが高い宿泊施設を選ぶようにしています。
平均口コミスコアも重要ですが、各口コミに書かれているゲストのコメントにも参考になるものが多々あります。「部屋の壁の防音性が低く、隣の部屋の物音が気になった」などは、泊まった人だからこそ分かること。平均スコアだけでなく、できれば口コミの内容もいくつか確認し、納得した上で予約に進みたいものです。
スカイスキャナーでホテルを検索5. フロントのオープン時間
Dan Morar/Shutterstock.com大型ホテルに泊まる場合はあまり気にする必要はありませんが、家族経営に近い小規模ホテルやB&B、ゲストハウスなどを予約するときは、フロントのオープン時間に注意。小規模宿泊施設の場合、「フロントの営業は8時~23時」「チェックインは15時~21時のみ可能」などと、フロントの対応時間やチェックイン時間が限られていることがあるからです。
こうした宿泊施設は、ゲストに到着予定時刻を知らせるように求めているケースが多く、到着予定時刻を事前に知らせなかったり、予定時刻に遅れたりすると、最悪の場合、誰も対応してくれる人がおらず、玄関前で途方に暮れることになりかねません。深夜や早朝に到着する場合は、フロント24時間対応のホテルを選んでおいたほうが安心です。
6. 客室設備
Dragon Images/Shutterstock.com海外のホテルでは、日本では当たり前にあるものがないことがあります。その最たるものが、バスタブ。日本では安価なビジネスホテルでもバスタブつきの部屋がほとんどですが、海外では、経済的~中級クラスのホテルで、バスタブが備わった部屋というのはあまりありません。
筆者も経験がありますが、冬のヨーロッパなどの寒い場所を旅行中、外で冷え切った身体をお風呂で温めることができないというのは、かなりこたえるもの。海外旅行中もお風呂に浸かりたいという人は、意識的にバスタブつきの部屋を選ぶようにすると賢明です。
また、中級クラスでも、部屋にドライヤーが設置されていないホテルがたまにあります。そうした場合は、フロントで頼めば貸してくれるのですが、数に限りがあるため、場合によっては出払っていて使えないことも・・・海外ホテル選びで失敗しないためには、客室内に何があって、何がないのか、あらかじめ確認しておくと確実です。
fotoinfot/Shutterstock.com本当に納得のいく海外ホテルを選ぼうと思うと、チェックポイントが多く、面倒に感じられるものですが、旅の計画や手配も旅行の一部。あれこれ思案して選んだホテルが「当たり」だったときは自分を褒めてあげたくなりますし、せっかくならホテル探しのプロセスだって楽しみたいものです。
「すべての場所」から航空券を検索
筆者プロフィール
春奈 (トラベルライター)
和歌山出身の元会社員。旅先でドイツ人夫と出会い、ドイツ移住を機にフリーランスのトラベルライターに転身。これまでに世界60カ国280都市以上を訪問。バックパッカーから、5つ星ホテルに泊まる贅沢旅行まで、多彩な旅のスタイルを経験。街歩きが大好きで、なかでも「旧市街」「歴史地区」と呼ばれる場所に目がない。現在は日本在住。