田んぼアートってどんなもの?
田舎館村では、田んぼをキャンパスに見立て、色が異なる稲を植えて巨大な絵を描く「田んぼアート」に取り組んでいます。平成5年から始まったこの取り組みは、当初3色の稲で、単純な絵柄からスタートしましたが、年々技術が向上して今では7色もの稲を見事に使い分けた迫力あるアートを作り上げています。
2017年は?毎年変わる絵柄を楽しもう!
田んぼアートは毎年絵柄の題材が変わり、2016年は「真田丸」と「シン・ゴジラ」、2015年は「風と共に去りぬ」と「スター・ウォーズ」がテーマでした。自然をキャンパスにしていて広大であるがゆえに、高いところからでなければ全貌が見えません。田舎館村では作品を2ヵ所に分けて、それぞれに展望台を設置しています。1つ目は、田舎館村役場の敷地内にある「第1田んぼアート田舎館村展望台」です。まるでお城のように立派な建物(村役場)の4階展望デッキと6階「天守閣」から、田んぼアートを眺めることができます。こちらの会場から眺めることのできる田んぼアートは、縦長の絵柄で、奥行きまで計算されて描かれています。2017年度の題材は、「ヤマタノオロチとスサノオノミコト」でした。
2つ目は、道の駅いなかだて「弥生の里」にある「第2田んぼアート弥生の里展望台」です。横長の絵柄で、写真1枚に収めるのが大変なほどのダイナミックな田んぼアートを見ることができます。こちらの会場の田んぼアートは子どもにもわかりやすい題材のものが多く、2017年度の題材は「桃太郎」でした。なんとも凛々しく、かわいらしいです。また、最近は石のグラデーションを使って描く「石のアート」にも取り組んでいます。田んぼアートに負けず劣らずの素晴らしいクオリティで、展望台の観覧客から感嘆の声も聞こえます。
芸術を収穫しよう!稲刈り体験ツアー
田舎館村の田んぼアートは、田植えから稲刈りまで全て手作業で行われています。毎年10月には第1田んぼアート会場にて、今年度の田んぼアートの稲をみんなで収穫する「稲刈り体験ツアー」が開催されます。参加費は無料で、参加者には昼食におにぎりと豚汁が配られるそうです。農作業のあとに食べるおにぎりは格別でしょうね。来年、参加する際は、軍手、長靴、汗拭きタオルなどを持参のうえ、汚れても良い格好で参加してください。あと、稲刈り鎌もお忘れなく。
色が違う=品種が違う稲なので、手作業で種類ごとに刈り取っていきます。7月下旬~8月中旬までが見頃だった田んぼアートも、まさにこれから、10月頃には全体的に黄金色に色付いていき、夏の青々とした様子とは違った姿を楽しめます。
第1田んぼアート、第2田んぼアート両会場ともに、観覧期間は10月9日(月)までです。田植えをするのは6月上旬~中旬で、そこから稲がどんどん成長するほどに絵柄がはっきりと見えてきます。長い期間楽しむことが出来る田んぼアートですが、行く時期によって姿が変わるのも田んぼアートならではの楽しみ方です。また、第1田んぼアートと第2田んぼアートの会場は少し離れています。ふたつの会場を結ぶ無料シャトルワゴン「たさあべ号」が、10月9日(月)までの期間中に運行しているので上手に利用しましょう。ちなみに、「たさあべ」というのは、「田んぼに行こう!」という意味の津軽弁です。
各展望台の料金は?
第1田んぼアート、第2田んぼアート会場どちらの展望台も入場料がかかります。第1田んぼアートでは料金が2段階になっていて、4階展望デッキは大人(中学生以上)300円、6階天守閣は大人(中学生以上)500円です。第2田んぼアートは大人(中学生以上)300円です。
第2田んぼアート会場の「弥生の里」は、『行ってよかった!全国道の駅ランキング2015』にて第1位を獲得した道の駅です。田んぼアートはもちろん、産直センター、レストラン、各種遊具、動物とのふれあい広場など盛りだくさんの施設で、津軽観光の玄関口にもなっています。
【スポット情報】■第1田んぼアート会場住所:青森県南津軽郡田舎館村大字田舎舘字中辻123番地1 田舎館村役場電話番号:0172-58-2111開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
■第2田んぼアート会場住所:青森県南津軽群田舎館村大字高樋字八幡10 道の駅いなかだて 弥生の里電話番号:0172-58-4411開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)写真提供:田舎館村企画観光課
田舎館村へのアクセスとおすすめホテル
青森空港から田舎館村へは、車で県道27号線を経由して約30分で行くことができます。2つの田んぼアート会場間の行き来を考えると、レンタカーを借りたほうが便利かもしれません。田舎館村には宿泊施設がないので、隣の黒石市、弘前市で宿を予約するのがよいでしょう。黒石市には温泉郷もあり、レトロで雰囲気のよい街並みを楽しむことができます。
黒石市でおすすめの宿泊先は、「ランプの宿 青荷(あおに)温泉」です。青荷渓谷の渓流沿いにある青荷温泉は、風情あふれる秘湯です。夜になると闇を照らす昔ながらのランプの灯りが、なんとも癒される情景を生み出しています。これからの時期は紅葉真っ盛りで、豊かな紅葉を眺めながらの露天風呂は格別です。
食べておきたい黒石B級グルメ「つゆ焼きそば」
黒石市といえば、焼きそば屋さんが多いことで知られています。なかでもB級グルメの決定戦「B-1グランプリ」にも入賞したことがある「黒石つゆ焼きそば」は、黒石市発祥のご当地B級グルメです。おすすめのお店は弘南鉄道の黒石駅から徒歩10分ほどの、昔ながらの街並みに佇む「すずのや」です。ひときわ大きなつゆ焼きそばの看板が目印です。
「黒石つゆ焼きそば」は独特の太くて平べったい麺でつくられた焼きそばに、和風だしのつゆと、揚げ玉、ネギがトッピングされたつゆ焼きそばです。ソースが絡んだ麺と、和風だしのつゆの組み合わせは「合うの?」と思われるかもしれませんが、絶妙な味のコラボレーションとなっており大人気です。まずは一度お試しください!
ただ見て楽しむだけでなく、稲刈り体験までできる田んぼアート。その名の通りのどかな「田舎」が広がる地域ですが、田舎でしか体験できない感動もきっとあるはず。今年の秋は、芸術も紅葉狩りも、グルメめぐりも、農業体験までできてしまう青森を旅してみませんか?
筆者ご紹介 | ||
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| 地球の歩き方青森Web特派員 鈴木 麻理奈青森生まれ青森育ち。自然も美味しいものもたくさんあり、海も山も川もあって、お花も咲き誇る青森県に住んでいます。青森県には四季を彩る景色、風景がたくさんあります。地元ならではの魅力を存分にお伝えできるよう、ローカル情報を地球の歩き方青森Web特派員ブログからお届けしています。 |
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